
ブログに使用しているイラストは、全部僕が手描きしています。
「かわいいアイコンがあればより楽しくブログを書ける」と思いつつも、イラストレーターさんに発注するのもハードルが高いと思ったので、自分で描くことにしました。
当初は紙に描いたものをスキャナーでPCに取り込んで、その上からマウスでなぞっていました。しかしながら、PCで清書してもしっくりこない出来になってしまうことが多かったです。そして、僕はそれを自分のデッサン能力や色彩感覚の問題ではなく、ずっと「マウスで絵を描いているからだ」と信じていました。
だからこそ、ペンタブレットに強い幻想を抱いていたのです。「ペンタブで絵を描けば、紙に描いたときと同じ水準で「しっくりくる」に違いない」と。そして「仕上がる絵も劇的にクオリティアップするに違いない」と。
今回は、「僕に素晴らしい絵を描かせてくれる」と信じて5年間使い続けてきたWacomのペンタブレット「Intuos Medium」について語りたいと思います。
(※この記事は過去にメインブログに投稿していた記事を修正・再構成したものです。)
Wacom Intuos Mediumについて

Wacom Intuos Mediumは、Wacomのエントリー〜ミドルクラスのペンタブレットです。SmallとMediumの2種類のサイズがあり、MediumのサイズはB5判ぐらいです。購入した2021年当時に住んでいた、徳島市のPCパーツショップにて約2万円で購入しています。
WindowsやMacはもちろん、公式サイトの記載ではAndroid、Chrome OSにも対応していますし、Ubuntuに接続しても使えました。ただしUbuntuでは後述のボタン操作が機能せず、ペンをマウス代わりに使える程度に留まります。

充電や有線接続用のUSB microBジャックがあるほか、Bluetoothでの無線接続にも対応しています。
付属の専用ペンにはボタンが2つ、タブレット本体にはボタンが4つあり、それぞれのボタンに操作を割り当てることが可能です。「普段は左クリック、クリスタではShiftキー」といった感じで、アプリケーションごとに別々の操作を割り当てることもできます。
ペンはタグのループ部分に通してマウントできるほか、タブレット側のボタン部分が窪んだ形状になっているので、そこに置いてもしっくりきます。

本体に予備のペン先が3つ格納されています。(1本は交換して現在使用中)
カラーバリエーションは「ベリーピンク」「ピスタチオグリーン」「ブラック」の3種類ありましたが、購入当時使用していたノートPCの色に合わせてブラックにしました。

ドライバーの更新や、ボタンへの操作割り当てなどはユーティリティソフト「Wacom Center」から行えます。


ボタンの機能はアプリケーションごとに別々の内容を設定可能です。
デスクの作業スペース的に、ペンタブを使用しているとショートカットキーを操作しづらいので、Ctrl+Z、Ctrl+C、PrintScreenあたりをボタンに割り当てています。

「オンスクリーンショートカット」を呼び出すこともできます。(画面左側の四角いボタン。)
ただ、これは多分液タブで使う機能ですかね…。
その他、製品と一緒にソフトウェアのライセンスキーが付属します*1。「CLIP STUDIO PAINT PRO」、「Corel Painter Essentials 8」(ともにペイントソフト)、「AfterShot 3」(フォトレタッチ)の3種類のソフトのトライアルが入っています。
最初からデジタルイラストを描くために使い始めたペンタブだったので、クリスタをインストールしています。それまで使っていたフリーソフトと比べると本当に多機能で、作業のしやすさが段違いに向上しました。多機能すぎて完全に使いこなせてはいませんが。なんなら今も。
ペンタブで絵のクオリティは劇的に上がったのか?

ペンタブでの作画は、手元ではなく画面を見ながらの作業なので、紙に描くのと完全に同じ感覚というわけではありません。それでも、筆圧を変えながら様々な線を描けるようになったので、表現の幅が広がりました。また、マウスと比較すると、手振れが誇張されるような感覚がかなり軽減されたように思います。
では、ペンタブの導入によって絵のクオリティが本当に劇的にクオリティアップしたのでしょうか…?

こちらはマウスで絵を描いていたころの作品です。「AzPainter2」というフリーソフトを使っていました。
マウスだと、特に線が描きにくかったです。紙に下描きしたときには線が重なり合って良い感じの質感になっていたところを、ペイントソフト上ではうまく再現できませんでした。

そしてこちらが、ペンタブで描いたイラストです。
どちらも同じキャラクターを描いていますが、見比べてみても、思ったほど劇的な変化はないです。

とはいえ作業環境がクリスタに変わったことで、今までの環境では使いにくかったテクスチャーの機能がずいぶん使いやすくなりました。
今まで背景や服の模様などを描く必要があるときはとても四苦八苦していたのですが、今となっては範囲指定してテクスチャーを張り付けるだけで終わるし、自力で描くよりもずいぶん見栄え良く仕上がります。
線画はいまいちでもちゃんとした色や模様が乗るだけで、それなりに見栄えがするというものです。あくまで「それなりに」です。

あとは、クリスタにはプリセットの背景素材もあります。これもなかなか便利です。
こちらのイラストは徳島県の風景のつもりなので、背景素材に描かれたスカイツリーらしき摩天楼をトリミングしています(え)

こちらのイラストでは撮影した写真にフィルターをかけて、背景にしています。

クリスタに登録されている素材にも限りがあるので、自分が撮った写真を加工すれば背景作りも相当やりやすくなりそうです。

まあ、でも、たまには自分の手を動かして背景を描かないとですね。
……うん。クオリティがかなり違いますね。もう少し頑張らねえとな。



ただ、僕はペンタブを購入してから2年ほどで、力を入れたイラストを描くのをやめちゃったんですよねぇ…。
気付いてしまったんです。ペンタブとクリスタは便利なツールではあるけれど、導入したからといって絵がうまくなる魔法のツールというわけではないということに。
そして、もっと踏み込んだことを言うと、僕は空間把握能力と色彩感覚がいまいちで、描いたイラストも「落書き」の域を出ていないということに。


だってさぁ。同じキャラを描いているつもりなのに、顔が全然違う…。もっとさぁ、水準低いなりに、安定とかしないもんかね!?
素晴らしいイラストを描く方を羨むあまり、嫉妬心から、周囲を著しく不快にさせる言動を振り撒いたこともありました。その当時のことは、本当に反省しています。というか、「うまくなりたい」という気持ちは、もっと違う形で発露させることもできたよなぁ。
以降、自分自身には「イラストのことで周りを不快にさせたから、もうイラストを描く資格なんてない」と言い聞かせつつも、本心ではすっかりイラストに心が折れており、「本気の作品」としてイラストを描くことは無くなってしまいました。
上手な絵を描くために重要だったこと(あとがき)
上手な絵を描くために重要だったのは、ペンタブレットを導入することではなく、斜に構えず素直に基礎から学ぶことでした。
デッサン能力にも、色彩感覚にも、問題がありました。影のつけ方も、光の当て方も、奥行きも、しわの入れ方も、複雑なポーズも、描き方がさっぱりわかりません。わからないまま、それっぽい形だけを真似たものを継ぎはぎにして描いていました。でも、僕はそれを「へたうまな画風」だと思い込むようにしていました。
思えば、僕は「研鑽しない理由」ばかり考えていた気がします。前述の「キャラクターの顔」だって、安定するほど練習していなかったからブレブレだったのだと思います。
この記事を書こうと思ったきっかけは、メインブログの大幅改装に際して過去記事を読み返しつつ整理(削除)したからなのですが、その過去記事には、「僕がまだ推しの自給自足のためにイラストを頑張ろうとしていた頃」の痕跡が残っていました。載せてあるイラストは、言ってみれば、全部その頃に描いたものですし、以下のような殊勝な言葉もありました。
描いた絵はちょくちょくブログでも使っていくので、画力の進化の過程を温かい目で見守って下さりますと幸いです。1年後には今より上手くなっていますように。
「研鑽しない理由」だったのがいつの間にか「あきらめる理由」へと変わってしまった、今の自分とのギャップが、率直に、かなり苦しかったです。
「苦しい」「悔しい」と思えるということは、まだ頑張りたいということでもあるのだと思います。
もし僕と同じように手が止まっている方がいらしたら、一緒にもうちょっと、あがいてみませんか。
*1:インストールにはWacom IDの登録が必要。